外反母趾セミナーの御案内 |
1. 外反母趾とは・・(2000.10.18より連載)
外反母趾とは、親趾(おやゆび)が外側(こゆび側)に曲がり、”くの字状”変形したものをいいます。その親趾の付け根の関節のまわりが靴などに繰り返し圧迫されますと、その関節の周囲にある滑液包(かつえきほう)という部
一般に外反母趾は親趾の病気という認識がありますが、実際には足の甲の前方部分の幅が広くなったり、足の土踏まずの部分が下がっているもの、またかかとの位置が外側に傾いているものなどさまざまな足の変化によるものです。 例えば土踏まずが下がった人は、しっかりと踏みしめる機能が低下しているために、足のゆびを強く曲げ安定させようとします。するとどうでしょうか。読者も自分のゆびを曲げてみてください。小ゆびは内側に曲がってくるのに対して、親ゆびは外側(小ゆびの側)に向かってくることがわかります。普段の生活でこのような動作が繰り返されますと外反母趾はますます強まってきます。言い換えれば外反母趾は親ゆびだけの病気と言うよりは足全体の病気とも言えるでしょう。 外反母趾は、単に足の親ゆびの変形で、ハイヒールを履くと痛みが出るとか、靴の形が崩れやすくなるといった程度のものと認識している人がほとんどだと思います。しかし、実際には外反母趾があるためにひざが痛んだり、腰痛になったりすることも意外と多いのです。 2本の足で立って歩く場合、地面に接しているのは足の裏しかありません。身長2メートル、体重100キロの人でも、その全体重を支えるのは長さがせいぜい25〜30センチの足の裏です。その巨体を支え移動させるために、小さな足の
外反母趾がある人は歩行バランスが悪く、歩行リズムがスムーズでない人が多いのです。また姿勢は外反母趾側の骨盤が上に上がり、しかも前方に向いているケースが多いのです。したがって、この不自然な姿勢が続くと、ひざや腰周辺の筋肉に負担がかかり痛みとして現れてきます。 このように、外反母趾は足の親ゆび単独の病気と言うよりは足全体、しいては身体全体の障害であり、靴を履いて歩く病気であるということです。第二の心臓と言われる足の裏とゆびをもう一度再認識する必要がありそうです。 |